妊娠中に必要な栄養素

妊娠中に必要な栄養素 妊娠中にはおなかの赤ちゃんの健康と発育のために、女性がとりたい大切な栄養素があります。おなかの赤ちゃんのために、そして出産までの女性のからだを健康に保つために、毎日の食事を大切にしてください。最近では、サプリメントを利用する女性も多いと思いますが、どんな栄養素を、どのくらいとればよいか、など分からないことも多いと思います。
妊娠前から、またおなかに赤ちゃんがいることを知った日から、ご出産を迎える日までの十月十日(とつきとおか)に必要な栄養素を、主な目的や理由別にまとめてみました。

おなかの赤ちゃんの発育に

チェック葉酸

妊娠初期に非常に重要とされている水溶性ビタミンの一種です。緑黄色野菜や豆類、果物などに多く含まれますが、調理によって失われやすい成分です。
「酸」って、何かを溶かしそうで、ちょっとこわい感じですよね。でも何も溶かしません。葉酸はからだの中で、たんぱく質を合成するなど、細胞をつくる働きがあります。
厚生労働省は、赤ちゃんを授かる1か月前から赤ちゃんを授かったあとの3か月後頃まで、おなかの赤ちゃんのために毎日の食事から意識して葉酸をとること、栄養補助食品などから1日400マイクログラムの葉酸をとることをすすめています。

妊娠中の女性とおなかの赤ちゃんのからだを支える

チェック

妊娠中、産婦人科の診察で一番話題になる栄養素が鉄です。鉄はからだのすみずみまで酸素を運ぶ役割をもつなど健康維持に大切な働きがありますが、子どもから大人まで不足している人が多い栄養素です。
妊娠がすすむにつれて、大きくなる赤ちゃんと赤ちゃんを支える女性のからだのために、たくさんの鉄が必要になります。検査の結果、「鉄が必要ですよ」といわれると、赤ちゃんのために何か悪いことが起こるのではないかと心配になってしまうかもしれませんね。鉄のお薬をいただくことがありますが、毎日、鉄をとることでお薬に頼らないようにすることができます。
鉄は毎日減り続け、さらに妊娠中は赤ちゃんの分も必要です。そして自分ではつくることができませんので、食事からとる必要があります。

鉄の吸収を助けるビタミンCを一緒にとるのがコツ

ビタミンCは鉄の吸収を助けます。ピーマンやかぼちゃなどの野菜類、いも類(さつまいも、じゃがいも)、柿やキウイフルーツなど果物類に多く含まれます。
鉄は、お肉(赤身)、まぐろ、かつお、さんまなど赤身のお魚、豆類(お豆腐を含みます)、ひじきなど海そう類、ほうれんそう、小松菜などの葉野菜、卵などに多く含まれますが、このような鉄の多い食品を食べ、同時にビタミンCの多い野菜や果物をとることで鉄の吸収が高まります。

鉄の吸収のじゃまをするタンニン

お茶、紅茶、コーヒーには鉄の吸収のじゃまをするタンニンが含まれます。濃いお茶、コーヒーや紅茶にはタンニンが多く含まれますので、お食事中やお食事前後は避けましょう。
なお、お食事に含まれる鉄の吸収を邪魔するので、お食事の約1時間後から、お食事の1時間前(「食間」といいます)は、濃いお茶やコーヒー、紅茶を飲んでも大丈夫です。

お茶やコーヒーを飲んでも大丈夫と聞いたことがある方へ

じゅうぶんな量の鉄が毎日しっかりと取れていて鉄不足がまったく心配ない方は、お食事中に濃いお茶やコーヒー、紅茶を飲んでも鉄吸収に影響はないといわれています。
ただ、女性の5人に1人は貧血とも言われています。また、妊娠中はおなかの赤ちゃんのためにも少しでも多くの鉄が必要な時期です。食間(食後1時間から食前1時間の間)は飲んでも大丈夫なので、飲むタイミングに気をつけるようにしましょう。

妊娠初期に食べられない女性に

チェックビタミンB6

妊娠前には平気だったものが平気でなくなったり、気にならなかったものが気になったり…それが原因で食べられなくなることがあります。
そんなとき、ビタミンB6が役に立つことがあります。

女性のいまと将来のからだを支える

チェックカルシウム

人のからだの中で、もっとも多いミネラルです。99%が歯と骨に存在し、残りの1%は筋肉を動かすときに関与など重要な役割を担っていますが、日本人の女性は、食事摂取基準の推奨量に平均で160mgほど不足しています。

母乳から届ける“赤ちゃんの健康”

チェックビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるなど、赤ちゃんの健康と発育に大切な働きをもっているビタミンです。
お魚やきのこなどお食事からとれるほか、日光が皮ふにあたることでからだの中でつくられます。でも、最近はお魚を食べる量が減っていることや、日焼けをさける傾向がつよくなっていることから、ビタミンDの栄養状態が悪くなっていると言われています。母乳にもビタミンDが含まれていますが、やはり最近はその量が減っているようです。
母乳中に含まれるビタミンDの量は、ママのビタミンDの栄養状態に影響されます。ビタミンDの栄養状態をよくするためには、ビタミンDを多く含む食品をとったり、妊娠中や授乳中は1日10分でもよいので日焼け止めをしない日光にあたりましょう。

チェックDHA赤ちゃんに届くDHA 水銀検査実施済なので安心。

赤ちゃんに届くDHA 水銀検査実施済なので安心。 DHAは赤ちゃんの発育に大切です。母乳にはDHAが含まれるので、母乳から赤ちゃんに届けることができます。
DHAは、人のからだの中ではあまり作れず、お魚をたくさん食べるママの母乳にDHAが多い傾向があります。サプリメントを利用しても、お魚を食べるのと同様の傾向があることが分かっています。

お魚を食べる時の注意点

お魚はDHAのほか、良質なたんぱく質、ビタミンD、カルシウムなどの栄養が豊富です。お魚の種類だけでなく、焼く、煮る、揚げるなど食べ方がたくさんあります。妊娠中や授乳中も、日頃のお食事にぜひ取り入れてください。
妊娠中にお魚を選ぶときは、お魚によって含まれる水銀量が違うことに注意してください。
また、妊娠中は、お刺身やお寿司、カルパッチョなど生で食べるのは避けましょう(リステリア菌による食中毒にかかりやすく、おなかの赤ちゃんに影響を与えるからです)。

※水銀量に注意が必要なお魚
カジキマグロ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ、ミナミマグロ(インドマグロ)、キンメダイ、など
お魚の水銀量について 厚生労働省のサイト(外部サイトにジャンプします)
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf

このほかの栄養素

チェック亜鉛

人の健康や栄養維持に重要な必須ミネラルです。
日本人の食事摂取基準では、妊娠中は、妊娠していないときよりも1日2ミリグラム多くとることをすすめています。亜鉛はすべての細胞に含まれるので、肉、魚、野菜、穀類など多くの食品に含まれますが、若い女性に亜鉛不足による影響が出ているといわれています。

チェック乳酸菌、ビフィズス菌

私たちのからだの中ではさまざまな細菌が共に暮らしています。この中でビフィズス菌は、私たちの健康の維持に役立つ「大切な仲間」であることがわかっています。毎日のお食事からさまざまな乳酸菌やビフィズス菌をとることで、この大切な仲間=ビフィズス菌を増やしたり、私たちの健康を維持し、からだの調子を整えることにつながるなど、さまざまなからだに良いことがあることがわかっています。乳酸菌やビフィズス菌をとって授乳中のママの健康を維持して、赤ちゃんのすこやかな発育をささえてあげましょう。