葉酸ってどんな栄養素?
葉酸ってどんな栄養素?
葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンの一種で、赤血球の形成に関わり、細胞の分裂や増殖を助けます。
葉酸の多い食材

葉酸の多い食材として紹介しているものは「無理なく摂取できる量あたりの葉酸量」を記載しています。調理方法や食材の比較は「可食部100gあたりの葉酸量」で記載しています。
数値は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の引用です。
μg(マイクログラム)は百万分の一グラムのことです。
野菜
- ほうれんそう(葉、ゆで)1株※(約20g)通年平均※ 22μg
- ほうれんそう(葉、冷凍) 約20g 通年平均 24μg
- ほうれんそう(葉、油いため)1株(約20g) 28μg
- ブロッコリー(花序※、ゆで) 3~4房(約50g) 60μg
- ブロッコリー(花序※、電子レンジ調理) 3~4房(約50g) 80μg
- グリーンアスパラガス(若茎、ゆで) 1本(約20g) 36μg
- グリーンアスパラガス(若茎、油いため) 1本(約20g) 44μg
- えだまめ(ゆで、さやつき10個、可食部20gとして) 52μg
- えだまめ(冷凍、さやつき10個、可食部20gとして) 62μg
- ほしのり(2分の1枚 ※のり全型1枚の半分 1.5g) 18μg

※ほうれんそう:1束(1袋)で10株くらい入っています。
※通年平均:季節によって量が異なりますが1年の平均であることを示しています
※ブロッコリーの花序(かじょ)とは:ブロッコリーの特徴である緑色のドーム型の形。これは小さなつぼみが集まってできています。このつぼみのあつまったドーム型のところを花序といいます。
※ブロッコリーの1房(ふさ)とは:ドーム型の部分を「房」ともいいます。ブロッコリーの茎から「小さな房」がいくつかにわかれてのび、その先端にたくさんのつぼみがあるのが、ブロッコリーです。1房とは「小さな房」が1つ、ということです。1つ1つ大きさがかなり違いますが、だいたい15gくらいです。
葉酸の量は調理法によって変動します。
葉酸は水に溶けるビタミン(=水溶性ビタミン)のため、調理法によっては「生」の時より20~30%も減ってしまう成分です。ゆでる時には短時間にする、レンジ加熱や蒸し料理を活用するなど調理に工夫が必要です。グリーンアスパラガスやブロッコリーなら「ゆでる」より「電子レンジ」など調理法を工夫して効率よく葉酸を摂取してくださいね。
野菜の調理と葉酸量
葉酸は光や熱に弱く、ゆでると少なくなる傾向があります。調理する場合は、「ゆでる」より「電子レンジ料理」、「蒸す」、「焼く」ほうが葉酸の減少が少ないです。

ブロッコリー 100gあたり(μg)


- 生
- 220
- 電子レンジ調理
- 160
- ゆで
- 120

ほうれんそう 100gあたり(μg)


- 生
- 210
- 油いため
- 140
- ゆで
- 110

えだまめ 100gあたり(μg)


- 生
- 320
- ゆで
- 260
冷凍野菜の葉酸量は少ない?
冷凍の野菜は価格が安定しています。では葉酸の量はどうでしょう!?葉酸の多い野菜の冷凍と生の比較は次のとおりです。冷凍でも大丈夫です。

ほうれんそう 100gあたり(μg)


- 生
- 210
- 冷凍
- 120
- 冷凍(ゆで)
- 57

えだまめ 100gあたり(μg)


- 生
- 320
- 冷凍
- 310
コンビニ、スーパーで売っている野菜のおかずやサラダの葉酸量はどうなの?
原料や調理方法によって葉酸の量にはちがいはありますが、ブロッコリー、ほうれんそう、えだまめなどが入ったものには、葉酸が多い食品としておすすめです。選ぶのに迷ったら、葉酸の多い野菜を選んでくださいね。
野菜が高い、苦手…そんなときはもやし
もやしにも葉酸が含まれています。年間をつうじて価格が安定しており、ほかの野菜に比べて安価です。さまざまな料理に手軽に加えられる使いやすい野菜で、葉酸も含まれます。

もやし 100gあたり(μg)


- 生
- ゆで
- 大豆もやし
- 44
- 39
- 緑豆もやし
- 36
- 33
- ブラックマッペもやし
- 42
- 36
- もやしのナムル
- 64
豆類
- 納豆 1パック(50g) 65μg
- ひきわり納豆 1パック(50g) 55μg
- 調整豆乳(100g) 31μg
納豆、ひきわり納豆に多く含まれます。
豆乳も葉酸を手軽にとることができる食品です。
豆腐は納豆ほど含まれず、煮た凍り豆腐(高野豆腐)には葉酸は含まれません。
蒸し大豆、ひよこまめにも多いですので、コンビニやスーパーなどで売られている惣菜を選ぶときには、蒸し大豆やひよこまめが入っているミネストローネなどの具だくさんスープやサラダを選ぶとよいです。
大豆水煮缶詰の葉酸は蒸し大豆の1割程度ですので、選ぶときは蒸し大豆をおすすめします。
大豆もやしもおすすめ(もやしは「野菜」を参照)

豆類 100gあたり(μg)


- 納豆
- 130
- ひきわり納豆
- 110
- ひよこまめ
- 110
- 蒸し大豆
- 96
- 調整豆乳
- 31
- 豆乳
- 28
- 湯葉(生)
- 25
- 油揚げ(生)
- 18
- 豆腐(絹、木綿)
- 12
- 大豆水煮缶詰
- 11
卵類
- 卵(全卵、生) 1個50g 25μg
- うずら卵(水煮缶詰) 2個 8μg
卵の調理と葉酸の量
葉酸は卵の卵黄に含まれ、卵白には含まれません。熱による損失は少なめです。

卵類 100gあたり(μg)


- 卵黄
- 140
- 卵白
- 0
- 全卵(生)
- 49
- 全卵(ゆで)
- 48
- 全卵(水煮缶詰)
- 23
- 全卵(目玉焼き)
- 58
- 全卵(厚焼きたまご)
- 40
- 全卵(だし巻きたまご)
- 42
- 全卵(いり卵)
- 48
- 全卵(素揚げ)
- 54
- たまご豆腐
- 25
乳類
- 大人のための粉ミルク(20g)※ 36μg
- プレーンヨーグルト(全脂無糖) 100g 11μg
- カマンベールチーズ 6分の1個 15g 7μg
※大人のための粉ミルクにも葉酸が含まれています。大人のための粉ミルクは、妊娠中、授乳中の方もお召しあがりいただけます。
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果物類

- マンゴー 小さめ 3分の1個 80g 67μg
- ドライマンゴー 20g 52μg
- アボカド 半分 70g 41μg
- いちご 3粒 40μg
- くり 2個 60g 38μg
- キウイフルーツ 1個 28μg
- バナナ 1本100g 26μg
- メロン(ハウス栽培) 6分の1個 150g 25μg
- くるみ(からなし) ひとつかみ※(8粒) 25g 22μg
- 甘ぐり 5個25g 20μg
- メロン(露地栽培) 6分の1個 150g 19μg
※ひとつかみ てのひらのくぼみにのるくらい
果物は生で食べるなら、いちご、マンゴー、アボカド、キウイフルーツ、バナナがおすすめ。
マンゴーは、ドライマンゴーの葉酸量が100gあたり260μg(生のマンゴーの3倍)。
くるみ、甘ぐり、くりも葉酸が多いですが、くりの甘露煮にはあまり含まれていません。
主食(ごはん、パン、めん類)で葉酸をとりたい場合
主食では、ごはん、めん類よりも、パン類が葉酸を多く含みます。
またパンの中では、全粒粉パン、ベーグルが多めに含まれます。
小麦の粒中ではビタミン類が外皮や胚芽に多く存在していますので、全粒粉には葉酸が多く含まれます。
くるみが含まれるパンには、くるみ由来の葉酸が含まれます。
食パンにも葉酸が含まれ、全粒粉をつかったもの、くるみを含むものなどを選べば葉酸の量が増えることが期待できます。
オートミールにも葉酸が含まれ、またオートミールを食べやすくしたグラノーラのなかには葉酸を強化したものがあります。
ごはんの場合、玄米は白米よりも葉酸が含まれます(レトルトパックの玄米ごはんはあまり含まれません)。

パン類 100gあたり(μg)


- 全粒粉パン
- 49
- ベーグル
- 47
- くるみパン
- 45
- ライ麦パン
- 34
- フランスパン
- 33
- クロワッサン
- 33
- オートミール
- 30
- 角型食パン
- 30
- 炊飯したごはん(玄米)
- 10
いも類で葉酸をとることはできる!?
いも類で選ぶなら、さつまいも。
じゃがいもの倍くらいの葉酸が含まれています。
さつまいもは、干しいもを除いて調理や食べ方による葉酸量の減少が少ないです。

さつまいも 100gあたり(μg)


- さつまいも皮つき 天ぷら
- 57
- さつまいも皮つき 蒸し
- 54
- さつまいも皮なし 焼き
- 52
- さつまいも皮なし 蒸し
- 50
葉酸は1日にどれぐらいとればいいの?
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、15歳以上の方は性別に関係なく、1日あたり240μgの葉酸をとることが推奨されています。
妊娠を計画している女性や妊娠中の方には、神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、しっかりとってもらいたい栄養素です。下記を参考にご自身の状態に合った量の葉酸をとるようにしてください。
●妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性
⇒通常の食品から240μg摂取することとは別に、サプリメント等から400μgを摂取することをすすめています。
●妊娠中期から後期の女性
⇒240μgに付加量240μgを加えた1日480μg摂取することをすすめています。
●授乳中の女性
⇒240μgに付加量100μgを加えた1日340μg摂取することをすすめています。
葉酸の食事接種基準(μg/日)1
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年齢等 | 推定平均 必要量 |
推奨量 | 目安量 | 耐容 上限量2 |
推定平均 必要量 |
推奨量 | 目安量 | 耐容 上限量2 |
0〜5(月) | - | - | 40 | - | - | - | 40 | - |
6〜11(月) | - | - | 70 | - | - | - | 70 | - |
1〜2(歳) | 70 | 90 | - | 200 | 70 | 90 | - | 200 |
3〜5(歳) | 80 | 100 | - | 300 | 80 | 100 | - | 300 |
6〜7(歳) | 110 | 130 | - | 400 | 110 | 130 | - | 400 |
8〜9(歳) | 130 | 160 | - | 500 | 130 | 160 | - | 500 |
10〜11(歳) | 150 | 180 | - | 700 | 150 | 180 | - | 700 |
12〜14(歳) | 190 | 230 | - | 900 | 190 | 230 | - | 900 |
15〜17(歳) | 200 | 240 | - | 900 | 200 | 240 | - | 900 |
18〜29(歳) | 200 | 240 | - | 1,000 | 200 | 240 | - | 1,000 |
30〜49(歳) | 200 | 240 | - | 1,000 | 200 | 240 | - | 1,000 |
50〜64(歳) | 200 | 240 | - | 1,000 | 200 | 240 | - | 1,000 |
65〜74(歳) | 200 | 240 | - | 900 | 200 | 240 | - | 900 |
75以上 | 200 | 240 | - | 900 | 200 | 240 | - | 900 |
妊婦(付加量)3 初期 中期・後期 |
- | +10 +200 | +0 +240 | - | - | |||
授乳婦(付加量) | +80 | +100 | - | - |
- 葉酸(プテロイルモノグルタミン酸、分子量=441.4)相当量として示した。
- 通常の食品以外の食品に含まれる葉酸に適用する。
- 妊娠を希望している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の女性は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸を400μg/日摂取することが望まれる。
サプリメントにはプテロイルモノグルタミン酸という、自然食品中の葉酸に比べて生体利用効率が高い葉酸を配合していますので、バランスの良い食事を心がけながら、サプリメントを上手に使ってしっかりとっていきたいですね。
雪印ビーンスタークで葉酸が摂れるサプリメント
葉酸のサプリメントはいつからいつまでとればいいの?
葉酸のサプリメントは可能であれば妊娠の1か月以上前から毎日とっていただきたいです。
実際にはいつ妊娠するかはわからないので、妊娠を計画されるタイミングからとり始めていただくといいでしょう。
通常妊娠がわかるのは妊娠6週目ころです。そのころには胎児にとって葉酸が最も必要な時期は過ぎていることが多いので、妊娠したかもと思ったら、サプリメントの摂取を始めましょう。
葉酸は野菜や果物からも摂ることができるので、サプリを飲んでいないからといって、全くとれていない訳ではありません。
ただ、「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、20-29歳の女性で平均226μg、30-39歳の女性で平均233μgと推奨量には近いですが、葉酸は授乳中も付加量が設定されているので、ご自身の食事の状況を見ながら、食事だけでは不足していると感じたらサプリメントで補うようにしましょう。
葉酸を摂る時の注意点
葉酸に限ったことではありませんが、とりすぎには注意が必要です。
「耐容上限量」といって、過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量、というのが決められています。
葉酸の場合、食事由来での過剰摂取の報告は無いようですが、通常の食品以外の食品(サプリメント等)に含まれる葉酸を摂取する際には、1日1000μg(18歳~29歳の女性は1日900μg)を超える量を習慣的に摂取しないようにしましょう。
複数のサプリメントを摂る場合には、それぞれの配合量を確認したうえで、耐容上限内におさまるようにしましょう。
サプリメントはとりたい栄養素を手軽にとることができるメリットがありますが、とり過ぎになりやすくもあります。葉酸のサプリメントに限りませんが、商品パッケージに記載された1日あたりの目安量(粒数など)を守ってお召しあがりください。
食事は、ごはんやパン、めん類など炭水化物を多く含んで、エネルギーの基となる「主食」と、魚や肉、卵、大豆製品などを使って、たんぱく質や脂質を多く含む「主菜」、ビタミンやミネラルを多く含む野菜やきのこ、いも、海藻などを使った「副菜」、牛乳・乳製品や果物などをバランスよくとるようにしましょう。
食品とサプリメントの葉酸の違い
野菜などの食品からとる場合、調理方法によって葉酸の量が減る場合があります。
日本人を対象にした研究結果では、食品に含まれる葉酸が体の中で利用される率(生体利用率)は、サプリメントなどに含まれる葉酸の50%とされています。
利用率が高いからすぐれている、ということではありません。
通常の食品に含まれる葉酸(folate)と、サプリメントなど通常の食品以外などの食品に含まれる葉酸(folic acid)の2種類があること、そしてサプリメントなどに含まれる葉酸(folic acid)には、毎日摂取しても健康障害を起こさない上限の量(耐容上限量)が定められているので注意すること、を覚えておいてください。
耐容上限量は年齢によって異なります。
葉酸の耐容上限量(女性、年齢別)
1~2 | 200 | 15~17 | 900 |
---|---|---|---|
3~5 | 300 | 18~29 | 900 |
6~7 | 400 | 30~49 | 1000 |
8~9 | 500 | 50~64 | 1000 |
10~11 | 700 | 65~74 | 900 |
12~14 | 900 | 75以上 | 900 |
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